「死んだ」と「死んでいる」の違いは?

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日本語Q&A

質問者さん
(中国)

「死んでいる」「死んだ」の違いは何ですか?
「死んでいる」は現在進行形で状態が続いている、「死んだ」は動作の完了、こう理解してもいいですか?
「死んでいる」は「死んだ」と同じ意味じゃないでしょうか?

管理人

「死んだ」「死ぬ」という動作が過去のある時点で発生したことを表します。

「死んでいる」「死ぬ」という動作が起きたことで”生きていない状態”になり、その状態が現在まで残っていることを表します。

だから「死んだ」と「死んでいる」は意味が違います。

テンスとアスペクト

 この問題にはテンス(時制)とアスペクト(相)がかかわっています。

 まずテンスの基本として、動作を表す動詞はル形で現在時制、タ形で過去時制を表します。例えば「寝た」と言えば「寝る」という事態が過去に行われたことを表します。これと同じで「死んだ」の「だ」は過去時制を表しますから、「死ぬ」という動作が過去のある時点で起きたことを表しています。

 一方、「死んでいる」の「でいる」は結果の状態を表しています。これは動作局面を指定するアスペクト表現です。「死ぬ」という動作が起きた結果、”生きている状態”から”生きていない状態”になりました。その”生きていない状態”が現在まで残存していることを表しています。なぜ現在まで残存していることを表すのかというと、「死んでいる」はル形で現在時制だからです。したがってこのテイルは現在進行ではありません。

現在進行と結果の状態

 現在進行(進行中)とは、その動作が今まさに行われている最中であること。「食べている」は今「食べる」という動作を何度も連続して行っていますし、「読んでいる」は今「読む」という動作を連続して行っています。しかし、「死んでいる」は今「死ぬ」という動作を連続して行っているわけではありません。だから「死んでいる」は進行中を表していません。

 「死ぬ」「結婚する」「濡れる」などはその動作が一瞬で行われることを表す瞬間動詞で、その動作が行われる前と行われた後では状況に大きな変化が認められます。例えば「死ぬ」という動作の前は生きていて、動作の後は生きていません。「結婚する」という動作の前は未婚の状態で、動作の後は既婚です。このような瞬間動詞は動作が一瞬で終わるため、テイル形にしても進行中は表せず、代わりに結果の状態を表します。結果の状態とは、その動作を行った結果の状態のこと。「死ぬ」という動作が行われると”生きていない”という状態になり、その状態がずっと残ります。

「死んでいた」は?

 「死んでいる」は上述の通り、「死ぬ」という動作が行われた結果”生きていない状態”になり、その状態がずっと現在まで残っていることを表します。これをタ形にした「死んでいた」は、「死ぬ」という動作が行われた結果”生きていない状態”になったのが過去のある時点の出来事で、その状態が過去のある時点まで残っていたことを表します。

 テンスとアスペクトは切り離して考えないといけないです。




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