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令和元年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅰ 問題1(15)解説

令和元年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅰ 問題1(15)解説

(15)「れる・られる」の用法

 「れる・られる」は4つの用法があります。

 ①受身 … 妹にケーキを食べられた。
 ②可能 … この卵はまだ食べられる。
 ③尊敬 … 故郷がしのばれる。
 ④自発 … 社長が来られた。

 このうち自発は、動作が自然に内側から沸き起こるように起こることを表すものです。

 1 自発
 2 自発
 3 自発
 4 可能(高めることができる)
 5 自発

 選択肢4だけが可能でした。その証拠に「高めることができる」と言い換えることができますね!
 それ以外は「~ことができる」に言い換えられませ。
 したがって答えは4です。




コメント

コメント一覧 (10件)

  • はじめまして。
    いつも拝見しております。
    ご丁寧な説明をありがとうございます。

    質問なのですが、
    こちらの問題の選択肢の中の文

    「4.学生の意欲が高められる。」

    は、受動態ではなく可能態なのですね。
    他の選択肢は自発態ということは理解できたのですが…
    大変稚拙な質問で申し訳ありませんが、
    解説していただけませんでしょうか。
    宜しくお願いいたします。

  • >匿名さん
    コメントありがとうございます。お答えします。

    解説にもあるように、「~られる」は4つの用法があります。受身、可能、尊敬、自発ですね。
    そのうち可能は「~(する)ことができる」に置き換えられます。これも可能の文法だからです。
    「学生の意欲が高められる」→「学生の意欲を高めることができる」

    それ以外の用法では当然ながら言い換えることはできません。
    このように判断すると良いと思います。

    • 早速の解説ありがとうございました!
      今後は教えていただいた方法で判断したいと思います。
      お忙しいところご丁寧にありがとうございました!!

      これからも宜しくお願いいたします。

  • はじめまして。試験問題解説、大変ためになります。

    「4.学生の意欲が高められる。」についてですが、私は「学生の意欲がXXXによって高められる。」と解釈できるので、受け身と捉えた方が自然だと思いましたが、いかがでしょうか?似た言い方に(戦士の、職場の)士気が高められるがありますが、これは可能ではなく受け身で使われる場合がほとんどと思います。
    ご意見いただけますと助かります。

    • >KATOさん
      「Aによって学生の意欲が高められる」だとすれば、直接対応する能動文は「Aは学生の意欲を高める」になりますね。
      「れる・られる」は可能の意味も受身の意味もありますので、解釈は確かに複数ありそうです。気づきませんでした!
      使用場面によって受身にも可能にもなるという理解で良いんだと思います。
      ご指摘ありがとうございました!

  • 初めまして  渡辺と申します。
    この問題に関する質問ではないのですが・・

    アルクの模擬テスト問題集にあった問題で、解説を読んでもよく理解できないものがありました。
    (比喩の種類)
    1頭が下がる 2眉をひそめる 3手を切る 4肩を落とす 5骨を埋める
    この中の異なるものを答えるのですが、3以外は換喩だとの解説がいまいち理解できずにいます。
    クリアにしたいのですが、どう考えればいいでしょうか?

    • >渡辺彩子さん
      こんばんは! 毎日のんびり日本語教師の高橋です。お答えします。

      換喩(メトニミー)は、概念の隣接性に基づいた比喩です。例えば「米津玄師を聴く」は、実際は「米津玄師の曲を聴く」という意味です。この時「米津玄師」と「米津玄師の曲」には隣接性が認められ、わざわざ「の曲」と言わなくても伝わるようになっています。2つの物事の隣接性を利用して言い換えるようなことをするのが換喩になります。

      1 頭が下がる
      相手に敬意を感じたり、深く感動した後に頭を下げます。
      この2つの動作は時間的に隣接しています。「感動して→頭を下げる」という隣接関係です。
      結果で原因を表すタイプの換喩です。

      2 眉をひそめる
      不愉快なことがあって眉をひそめます。これらの動作も時間的に隣接しているので、結果で原因を表すタイプの換喩です。

      3 手を切る
      ナイフ等で物理的に手を怪我したことを表す場合、比喩ではありません。
      人と人との関係を終わりにするという意味を表す場合は隠喩(メタファー)です。
      交流すること、協力することを「手を繋ぐ」とたとえ、「手を切る」ということで交流をやめる、関係を絶つと表す、2つの物事の類似性を利用した隠喩になります。

      4 肩を落とす
      がっかりした後に肩を落とすので、これも時間的な隣接関係を利用した結果で原因を表すタイプの換喩です。

      5 骨を埋める
      死んでから骨を埋めます。時間的な隣接関係を使用したもので、結果で原因を表す換喩です。

      私たちの言葉は、その多くをメトニミーが占めています!

  • ヴォイス(態)については「ヴォイス・アスペクト・テンス・モダリティについて」で詳しくまとめていますので、参考にしてください。
    >404 Not Found
    リンクが切れているようなのでご確認ください。

    • >匿名さん
      ありがとうございます!
      こちらのリンク先は消去しております。申し訳ございません。

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