【練習問題】(263)直示表現
【 】内に示した観点から見て、他と性質の異なるものを、それぞれ1~5の中から一つ選べ。
【直示表現】
1 私たちは留学を希望しています。
2 その話、もう少し詳しく聞きたいです。
3 自己紹介をしてくださいと言ったら「嫌です」と、こう言いました。
4 右側にある端末から選んで注文してください。
5 2042年は良い一年だった。来年はもっと良くなりますように。
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解説
ダイクシス(直示)とは、発話場面に依存して意味が決定する言語表現のことです。
1 「私たち」は一人称代名詞で直示表現です。
2 発話時よりも前の発言内容を指しています。ダイクシスです。
3 発話時とは関係なく、先行文脈の一部を指し示すだけの文脈指示です。ダイクシスではありません。
4 発話場所によって「右側」が指すところが変わりますのでダイクシスです。
5 発話時を基準に時間を指し示すものなのでダイクシスです。
したがって答えは3です。
コメント
コメント一覧 (3件)
問263
2042年は良い年だった。来年も〜
の場合、その場にいなくても2042年は、固定されてて、その場にいなくも2042年の翌年は分かるのではないでしょうか。
>まめまめ姫さん
発話時点が「2042年」だからこそ「来年」が2043年を指すわけです。
逆に言えば、2100年に「来年」と言えば、その「来年」は2101年を指します。
結局「来年」という言葉は、発話時点を基準に時間を指定しますので時間の直示表現です。
直示表現とは発話現場に依存した表現です。
例えば「私」というとき、誰が私と言うかによって「私」が指す人物が変わります。それは発話現場の発話者に依存しているからです。
「これ」というときは、発話現場の状況によって指し示すものが変わります。発話現場の周辺状況に依存しているのでこれも直示です。
「来年」というときは、その意味は発話現場の”発話時”に依存しています。2021年に言えば2022年を指すように、発話時によって指し示すものが変わります。
「来年」は時間の直示ですので、発話現場にいるかいないかは関係ありません。発話現場の”発話時”がどうであるかに依存します。
こんにちは。
選択肢1の”彼”も選択肢3の”こう”も先行文脈の一部を指し示していると思うのですが。
選択肢1の文章上の”彼”が文脈指示でない理由がわかりません。
「エリスに自己紹介をしてくださいと言ったら「嫌です」と、”彼”は言いました。」
選択肢1に対する解説を用います。
” 1 ここではエリスを指していますが、場面が変われば他の人を指して使うこともできます。ダイクシスです。”
この場合も”彼”は直示でしょうか。