6月8日(土)から音声学の短期講座がはじまります。

【練習問題】(240)橋渡し推論

【練習問題】(240)橋渡し推論

「シャボン玉飛んだ 屋根まで飛んだ 屋根まで飛んで こわれて消えた」という文を読んだときの推論として、橋渡し推論が正しくなされているものとして最も適当なものを、次の1~4の中から一つ選べ。
 
 1 屋根まで飛んだものが「シャボン玉」であると推論する。
 2 「シャボン玉」は割れるものだから、「壊れた」ものは屋根であると推論する。
 3 飛んだものが「シャボン玉」と「屋根」であると推論する。
 4 こわれて消えたものが「シャボン玉」と「屋根」であると推論する。











解説

 文章中に明示されていない情報を予想することを推論といいます。推論は2つに分けられます。

橋渡し推論 直接表現されていないことを、文脈や既有知識によって理解するタイプの推論。正しく推論できなければ理解に大きな支障が生じます。
精緻化推論 文章から読み取った事柄をもとに具体的なイメージを膨らませること。実際想像したイメージは人によって異なります。橋渡し推論とは異なり、精緻化推論はできなくても理解には影響しません。

 「シャボン玉飛んだ 屋根まで飛んだ」を「屋根が飛んだ」と解釈するのはよくある勘違いです。なぜこんな勘違いが起きるかというと、「まで」にその秘密があります。

 この「まで」は終点を表す格助詞。「学校から家まで帰る」の「まで」と同じです。しかし、この「まで」を極限を表す取り立て助詞だと思えば、「シャボン玉が飛んだ」「屋根も飛んだ」と理解されます。

 「まで」を極限の取り立て助詞だと思えば、「屋根が飛んだ」と理解されます。
 「まで」が終点の格助詞だと思えば、「シャボン玉の飛んだ先が屋根」であると理解されます。

 1 橋渡し推論の成功
 2 橋渡し推論の失敗
 3 橋渡し推論の失敗
 4 橋渡し推論の失敗

 したがって答えは1です。




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