【敬語練習問題】(74)「常務は中国語をお話しになれますか」
「常務は中国語をお話しになれますか」が規範的な立場から見て不適切とされる根拠として最も適当なものを、次の1~4の中から一つ選べ。
1 相手側を立てて述べているが、自分側を立てて述べていないから
2 可能の形の作り方に誤りが見られるから
3 尊敬語を用いるべきところを謙譲語Ⅰを用いているから
4 目下の者が目上の者の能力を測るような表現が含まれているため
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解説
「敬語の指針」47~48ページでは、目下の者が目上の者に能力を問うような表現は問題があると述べられています。「常務は中国語をお話しになれますか」は常務に対して中国語の能力を問うているのでこれに抵触します。可能形を使って問うのが問題なので、可能形を使わずに「中国語をお話しになりますか」と事実を問う形にすればそれほど抵抗がなくなります。
選択肢1
「話す」は立てるべき人物である<常務>の行為なので、尊敬語を用いて<常務>を立てるべきです。尊敬語「お~になる」を使って「お話しになる」としていますからその点は問題ありません。相手を立てればいいだけで、自分は立てる必要がありません。
この選択肢は誤り。
選択肢2
可能の作り方は正しいです。「話す」に尊敬語「お~になる」をつけて「お話しになる」、さらに「なる」を可能形にして「お話しになれる」としています。
この選択肢は誤り。
選択肢3
尊敬語「お~になる」を用いています。謙譲語Ⅰの形は使われていません。
選択肢4
これが正しい選択肢。上述の通りです。
答えは4です。
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