平成26年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅰ 問題1(9)解説
(9)受け身
直接受身は、直接受身文の補語の数と対応する能動文の補語の数が一致するという特徴があります。間接受身は一致しません。なぜ一致するしないの違いが現れるかを説明するのは大変難しいのでここでは省略します。
選択肢1
【受身文】(学校によって) 先月 入学式が 行われた。
【能動文】先月 (学校が) 入学式を 行った。
補語の数が3:3で一致するので直接受身です。
選択肢2
【受身文】(私が)(彼に) 笑われた
【能動文】(彼が)(私を) 笑った
補語の数が2:2で一致するので直接受身です。
選択肢3
【受身文】この建物は (Aによって) 10年前に 建てられた
【能動文】(Aが) この建物を 10年前に 建てた
補語の数が3:3で一致するので直接受身です。
選択肢4
【受身文】仕事中に (私が) 客に 来られた。
【能動文】仕事中に 客が 来た。
補語の数が3:2で一致しません。間接受身(自動詞の受身)です。
選択肢5
【受身文】仕事で (私が) 上司に 褒められた。
【能動文】仕事で 上司が (私を) 褒めた。
補語の数が3:3で一致するので直接受身です。
選択肢4だけ間接受身でした。答えは4です。
コメント
コメント一覧 (3件)
はま先生、いつもブログやユーチューブを参考にさせて頂いております。
独学で今年の6月から勉強をはじめたのですが、受身を理解することができません。
26年度問題1(9)について、選択肢4は対応する能動文がないとありますが、以下のように考えることは出来ないでしょうか。ご教授御願い致します。
受身→仕事中に客に来られた
能動文→客が仕事中に来た
>あきさん
コメントありがとうございます! お答えしますね。
「仕事中に客に来られた」は間接受身の迷惑の受身で対応する能動文がありません。
能動文を作るときは動作主と動作の受け手をまず明確にしておくことが重要です。
問題文では「仕事中に客に来られた」とありますが、動作の受け手は「私」ですので、実は「(私は)仕事中に客に来られた」となっています。
この文から能動文を作ろうとしても、「客が仕事中に来た」には「私」が入りません。ですから直接受身文ではないんです。
解説もより分かりやすく変更しておきます。
それと… 私はyoutubeチャンネルをやっておりませんので、おそらく人違いかと思われます。
私は毎日のんびり日本語教師の高橋です。何か問題がありましたら、コメント欄にご質問くださいね!
高橋先生
早々にご教授頂き、誠に有り難うございました。
いろいろな問題を解く度に理解できたような、できないような、モヤモヤしたところがあったのですが、今度こそ理解できました!
また、ユーチューブをされていらっしゃると勘違いしてしまい大変失礼いたしました
先生の解説はわかりやすく、特に独学で勉強する人達にとっては、神ブログだと思います。
これからも、ブログを参考にさせて頂きます。
本当に有り難うございました。