平成25年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅰ 問題5解説
問1 コースデザインの流れ
コースデザインはおおまかに次のような流れで行います。
選択肢に含まれるもののうち、一番最初にやるのはニーズ分析です。そのあとは分析結果を踏まえてシラバスデザインをします。その後はカリキュラムデザインをするんですが、教材作成をする前に教授法・教室活動の選択をする必要があるので、全体としては選択肢4の流れが正しいです。
答えは4です。
問2 各課の構成
カリキュラムデザインの教案作成の段階で各課の構成を決めます。そのときに必要な情報は…
1 学習項目とその指導方法は教案作成で必要な情報です
2 教授理論や指導方略は教案作成で必要な情報です
3 問題の種類や数は教案作成で必要な情報です
4 クラス規模や学習者の母語はニーズ分析の段階で把握していること
答えは4です。
問3 コースに合わせた手直し
リライトとは、教科書の分かりにくい表現を別の表現に書き換えることです。年少者日本語教育では子どもに分かりやすい日本語にリライトしたりします。
1 教科書の元々のねらいや主題に沿った書き換えは問題ありません。それらに沿わない内容に書き換えるのは望ましくありません。
2 既習の語彙や文法しかない教材は言語習得を促進しません。年少者と言えど、文脈で推測できるレベルの未習語彙や文法を含めるべきです。
3 各課の内容を踏襲した書き換えは必須。内容は無視すべきではありません。
4 年少者日本語教育のリライトでは、子どもに分かりやすいような日本語にリライトすべきです。正しい!
答えは2です。
問4 リソースへのセルフ・アクセスのための環境作り
ここでいうリソースとは、自律学習において何か問題が発生したときに、その問題を解決するための資源のことです。参考書や教師などがこれにあたります。これらのリソースに学習者自身にアクセスさせる環境作りで留意すべき選択肢を選びます。
1 正しいです。カタログを作っておけば、学習者が困ったときそれを調べられます(セルフ・アクセスを促せます)。
2 リソースはその種類や分野によって分類して配置したほうがアクセスしやすくなります。
3 学習で発生した問題を解決するため、書庫は近くにあるとより役に立ちます。セルフ・アクセスしやすくなります。
4 ある語彙の意味が分からなくて辞書を引いたのに、その説明も日本語で書かれていて解決できなかったら意味ないです。母語で日本語を学ぶ環境も用意してあげたほうがいいです。
答えは1です。
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