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平成25年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅰ 問題4解説

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平成25年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅰ 問題4解説

問1 ナチュラル・アプローチ

 ナチュラル・アプローチは幼児の母語習得過程を参考にした授業を行うので、自然なコミュニケーションを教室で再現しようとします。そのシラバスはコミュニケーション場面に焦点を当てた場面シラバスや、コミュニケーションの目的となる話題に焦点を当てた話題シラバス、ことばの機能に焦点を当てた機能シラバスなどです。

 答えは1です。

問2 コミュニティ・ランゲージ・ラーニング/CLL

 1 オーラル・メソッドは媒介語の使用を部分的に認めています。
 2 ナチュラル・メソッドは媒介語の使用を許しません。
 3 CLLは媒介語を使用して緊張を和らげようとします。
 4 ダイレクトなので直接法の一種。媒介語は使用しません。

 答えは3です。

問3 オーディオ・リンガル・メソッドとコミュニカティブ・アプローチ

 

選択肢1

 オーディオ・リンガル・メソッドはアメリカ構造主義言語学と行動主義心理学に論理的基盤を置いています。これは正しい。
 コミュニカティブ・アプローチは言語の概念と伝達機能を重視する教授法です。「機能主義言語学」も正しい。
 この選択肢は正しいです。

選択肢2

 オーディオ・リンガル・メソッドは特に口頭能力を重視していて、書き言葉は重視していません。
 コミュニカティブ・アプローチもコミュニケーション重視で、つまり口頭能力を重視しています。
 この選択肢は間違い。

選択肢3

 オーディオ・リンガル・メソッドは文型シラバスなので易しい文型から順に導入していきます。
 コミュニカティブ・アプローチはコミュニケーション能力の育成を中心とするので、そのたびに必要な文型を導入していきます。現実で使うような表現を取り扱い、その順序は様々。
 この選択肢は正しいです。

選択肢4

 オーディオ・リンガル・メソッドは「誤用は目標言語と学習者の母語の違いから生まれる」とする対照分析仮説の影響を受けています。
 コミュニカティブ・アプローチは、第二言語習得では誤りは習得の過程の一部であるという考え方をとっています。
 この選択肢は正しいです。

 答えは2です。

問4 プロジェクトワーク

 プロジェクト・ワークとは、学習者が主体となって計画をし、資料や情報を集めたりして、グループごとに学級新聞や映像、記事、雑誌などを作る現実的な活動のことです。教室を出て実社会とかかわりをもつことができるので、日本語母語話者と日本語を使った真のコミュニケーションをとることができ、四技能を学べます。

 1 自己研修型じゃない
 2 正しいです。例えば出身地ごとに分かれて故郷を紹介する動画を作るという活動では、動画を作るというタスクを達成することが求められます。
 3 正しいです。情報収集の過程で読んだり聞いたりします。インタビューをすれば聞く、話す力も必要です。活動の過程で様々な技能を必要とします。
 4 正しいです。プロジェクトワークはコミュニカティブな活動なので、言語形式の正しさ、正確さよりも内容面のほうが重視されます。

 答えは1です。

問5 プロセス・ライティング

選択肢1

 制限作文アプローチの説明です。
 制限作文アプローチとは、特定の文型や表現を使わせて書かせる作文指導法。1950年代にオーディオリンガル・メソッドの流れで考案された。作文の内容よりも、言語形式の正確さを重視する目的で行われた。

選択肢2

 新旧レトリックアプローチの説明です。
 新旧レトリックアプローチとは、談話や文体にある特有のパターン、段落の理論的構造や機能などの文章構造のパターンを提示し、それに従って書かせる作文指導法。

選択肢3

 学術英語アプローチの説明です。
 学術英語アプローチとは、読み手の存在を重視した作文指導法。学術目的で書かれる専門分野の作文において、読み手が誰なのか、読み手が期待するものは何かを意識させ、その分野にふさわしい語彙、文体を用いて書かせるような活動を行う。

選択肢4

 プロセス・アプローチ(プロセス・ライティング)の説明です。
 プロセス・アプローチとは、フラワーとヘイズ (L.Flower & J.R.Hayes)のライティングプロセスの認知モデルを理論的基盤とする、作文を仕上げていくプロセスを重視した作文指導法。「構想」「文章化」「推敲」の3つの段階を行きつ戻りつ、繰り返しながら新しい発見をし、長い時間をかけてよりよい文章を再構築していくことを目的とする。

 
 プロセス・アプローチというと「構想」「文章化」「推敲」の3段階を行き来です。この文言がないとプロセス・アプローチを説明できませんので、出題するときも必ずこれが出ます。選択肢4には「計画」「創作」「書き直し」と言い方は違いますが3段階あります。「繰り返す」というのもポイントですね!

 したがって答えは4です。




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