平成24年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅲ 問題5解説

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平成24年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅲ 問題5解説

問1 改善すべき点

 1 中級学習者だから400字の作文はまあまあいいと思います。
 2 「である体」はアカデミック・ライティングで用いられる文体だから中級前半の学習者には難しめ。
 3 「私の宝物」は十分絞られたテーマだと思います。
 4 正しいです。書いた後に他の学習者や知り合いの日本人などに読ませる活動があるので、読み手を意識させることは重要です。

 答えは4です。

問2 教師が留意すること

 1 話し合うことで内容のアイディアを増やすことができるから良いと思います。
 2 モデルの文章を読ませると作文を書きやすくなるから良いですね。
 3 アイディアを出す段階では日本語を使わせることにこだわらなくてもいいです。これは厳しいと思う。
 4 先生がそうやってアイディアを出す助けを出すのは良いと思います。

 答えは3です。

問3 コロケーション

 「人気」に対しては「出る」や「高まる」などの動詞が共起しやすいですが、ここでは「増える」を用いています。これは言葉の自然な組み合わせであるコロケーションの知識がなかったので「人気が増えている」としてしまったと考えられます。

 よって答えは4です。

問4 <資料2>に加えるチェック項目

 1 「は」と「が」の違いは中級前半にはちょっと難しすぎる… 日本語教師にとっても難しいのに。この項目はチェック項目としては不適当です。
 2 指示詞「それ/その」は中級前半でもできるので、チェック項目として適当。
 3 接続詞「そして/また」も中級前半でもできるのでチェック項目として適当。
 4 過去形は初級で身に付けているはずだからチェック項目として適当。

 答えは1です。

問5 作文後の活動の背景にある考え方

 「私の宝物」というテーマで作文を書いた後、その作文に宝物の写真や絵を一緒にいれて文集にまとめるそうです。これをみんなに配布して読ませたり、知り合いの日本人にも読んでもらったりして、聞いてきた感想をクラスで発表します。なかなか凝った作文活動ですね。こうやって他の学習者や知り合いの日本人に書いた作文を読ませたりすることで、作文を書いたことの達成感を高めることができそうです。また感想を聞いてくる過程でコミュニケーションの機会も得られます。

 だから答えは2です。




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