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猫の意の「ちゃぺ」

 私のおばあちゃん、もうすぐ90歳くらいになる生粋の津軽弁話者なんですが、猫のことを「ちゃぺ」と言います。私の母は「ちゃぺ」は理解語彙だけど使用語彙じゃない。私は数年前まで理解語彙ですらなかったくらいです。津軽弁の中でも相当先代で使われてた言葉ですね。
 で、この言葉、パ行が含まれるからアイヌ語から来てるのでは? と思って、この間アイヌ語の辞典を調べてみました。
 すると…

 八雲、沙流、美幌、宗谷方言に似たような音がありました。
 後部歯茎破擦音で「ちゃぺ」や「じゃぺ」、あるいは地域や個人によって歯茎破擦音で「つぁぺ」や「ざぺ」と発音するようです。うーん、すごい。

 津軽弁の「ちゃぺ」は全ての猫に対して使う呼び方ではなくて、名前がない野良猫で、その野良猫をかわいがるようなときに使います。つまり「ちゃぺ」は野良猫に対する愛称みたいなもの。飼い猫だったら「ちゃぺ」ではなくちゃんと名前で呼びます。八雲方言のところにも「猫につける名」と書いてますが、たぶんこれが意味的に近いのかな。

 参考文献:服部四郎(1964)『アイヌ語方言辞典』pp185.




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