地獄の調理実習

 今日は調理実習本番でした。

 朝9時に食堂へ集まり料理開始。
 私が提供した日本でのレシピを参考に、各グループがそれぞえ選んだ鶏のから揚げ、フライドチキン、フライドポテト、ホットケーキ、オムライスを作っていました。

 結果としては面白かったのですが、いろいろ残念なこともありました。

 まずフライドチキン
 スーパーから買ってきたものがもう既に味付けされている骨付きモモ肉でした。
 レシピには味付けを自分でやるところから始まっているのに、これでは調理実習と言えるのかどうか…。
 
 揚げる時も訳わからなかったです。
 フライパンにアルミホイルを満遍なく敷いてその上に油を注ぎ、チキンを揚げていたのです。
 フライパンが汚くならないようにという配慮なのかどうか分かりませんが、こんなの初めて見ました。

 グループは5人だったのに、チキンを2つしか買ってこなかったのも何とも言えません。
 ただ出来はかなり良かったです。味は分かりませんが、見た感じ美味しそうでしたね。

 
 ホットケーキに至っては致命的です。
 レシピには薄力粉、ベーキングパウダーと書いているのにも関わらず、それらを買ってこない異常事態です。
 普通ホットケーキの生地はどろどろになるはずなのですが、お餅のようになっていました。
 そのお餅を必死にこねて丸く成形しているのを見て、一体何を作ってるのかと思ったほどです。

 卵と牛乳が死ぬほど足りないのが見て分かりますし、あの生地だと膨らむというよりはただ焼いているだけ。
 実際完成したものは2~3mmのもので、数枚重ねても何の料理なのか分かりません。
 ただ土俵際でいちごジャムに助けられ、大失敗を回避していました。

 
 オムライスはもうオムライスではありませんでした。
 まずチキンライスを作らなければいけないはずなんですが、最後までケチャップを使わず、鶏肉やキノコ類をただ炒めただけのチャーハンです。チャーハンと言っても一切の味付けをしてませんので、本当にただ炒めただけです。試食してみたんですが、味が全くありませんでした。

 あと炒める際に油をたくさん入れているのでしょう。ご飯がめちゃくちゃ脂っこく光っていました。

 チキンライスの上に乗せる卵も謎です。
 卵の味付けに大量の塩を入れていてしょっぱすぎます。
 フライパンに卵をいれる前に皿を用意していなかったりして、とろっとろの半熟なんかは絶対に期待できません。

 このグループも5人いたのに、結局1人前しか作りませんでした。
 何をしているんでしょう。

 
 フライドポテトは悲劇です。
 電子レンジがありませんでしたので、まずジャガイモをラップで包んで10分~15分くらい湯煎するよう指示しました。

 私の話を聞いていなかったグループは2つあって、残念ながら大失敗です。
 ラップをしなかったグループは、じゃがいもが水分を多く含んだ状態になっていてカリッとなりませんでした。

 また、茹でる前の生のジャガイモをフライドポテトの形に切ってしまったグループは、その後火を通しもせず、しかも小麦粉などにまぶさないまま揚げてしまいました。生のじゃがいもを揚げるのはいくら何でも美味くなるはずがありません。

 揚げ終わったらすぐ塩などで味付けしてねと言ったんですが、「塩」だけを聞き取ったのか、油の中に塩を注いでいました。もう何でもありの状態です。

 
 一方で鶏のから揚げは概ね成功です。
 タッパーが調達できなかったので、ボウルなどで味付けし揉みこんで待ちます。
 この簡単さが間違う可能性を大幅に減らしたのだと思います。

 ただ私がもう十分って言ってるのにまだ足りないと思っているのか、ひたすら揚げ続ける人もいました。
 中まで火が通っているかどうか心配しているせいか、揚げてる最中のから揚げに箸を刺しまくったりと謎です。
 黙って見ていられないのでしょうか…。

 そしてスーパーから買ってきたものは既にから揚げサイズに切られたもので、私としては残念でした。
 胸肉1~2枚をそのまま買ってきて、それを自分たちで切るくらいでないと調理実習とは言えません。

 
 という具合に愚痴満開ですいませんでした…。
 ある学生に「もう全然違う料理になってる」と言ったら、「中国人は自分がそう思ったらそうやってしまうんです」と答えました。
 確かに例外なくほとんどの人がそうでしたので、今回実感しました。

 私はこうするんだよって教えるんですが、頑なに吸収しようとしてくれません。
 あまりにも聞いてくれないので、私の方から諦めて彼女たちに任せました。結果は言うまでもありません。

 そして学生の盛り付けに対する意欲は半端じゃありません。
 とにかく美しく皿に盛る。それがポリシーみたいになっていると感じました。

 そのせいか、皆が各々の美的感覚から位置を微調整したり、横から手を出したり、フライパンや包丁がある環境下で随分危ないことをしてます。
 いくら見た目が綺麗でも色んな人が触れていますから、実際綺麗かと言われるとまた違う意味で綺麗ではないと思います。

 
 正直に言うともう二度とやりたくありません。
 積極的に参加する姿勢は評価しますが、料理ができないと言いながらもなぜかレシピや助言に従わないのです。
 我が強いところには本当に呆れました。

 分からないことがあったら聞いてねとあれだけ口酸っぱく言ったのに…
 こんな様子だと社会人になった頃の彼らが心配でなりません。

 今回調理実習を行うことは上によって決められたことです。いわば外国語学部から日本語学科へ、日本語学科主任から私への命令です。
 命令とあらば必ずやりますが、私の本来の仕事は教室で面白い授業をすること。
 それだけを考えて仕事をしていきたいと切に願います。




コメント

コメントする

目次