6月8日(土)から音声学の短期講座がはじまります。

2LDKの「2」はどうして「にー」と読む?

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日本語Q&A

質問者さん
(中国)

「2」は通常「に」と読みますが、2LDKの「2」の読み方は長音が入って「にー」と読みますね。
これはなぜでしょうか?

管理人

「2」「L」「D」「K」の本来の読みは「に」「える」「でぃー」「けー」。このうち「に」だけが1拍、それ以外は2拍です。「に」だけ他の語と拍数が一致してないので読んだときにちょっとリズムが悪い。そこで「に」を2拍に調整しようとする力が働き、その結果長音を入れて「にー」となりました。そうすると全部2拍なので良いリズムになります。

全体のリズムを整えるために「にー」になる

 日本語は拍でリズムをとる言語です。そのリズムが悪いとき、気持ち悪いなーってなるときには、拍の数を調整しようとします。2LDKの例で言うと、「2」「L」「D」「K」の元々の読み方は、「2」だけが「に」と読み1拍で、それ以外は2拍です。

 2   (1拍
 L える (2拍)
 D でぃー(2拍)
 K けー (2拍)

 1つだけ1拍だとちょっと気持ちが悪いので、本来1拍「に」のところ、「にー」と伸ばして無理やり2拍に調整しました。

 2 にー (2拍
 L える (2拍)
 D でぃー(2拍)
 K けー (2拍)

 すると全部2拍になるので良いリズムになります。
 だから「2LDK」の「2」は「にー」と読まれます。

2拍に調整される他の例

 このような例は他にも見られます。
 例えば、1から10まで数字を読み上げる際、「2(に)」「4(し)」「5(ご)」は長音が付加されて2拍になります。

元々の読み いち さん ろく なな はち きゅう
実際の読み いち にー さん しー ごー ろく なな はち きゅう

 他にも、「蚊飛んでる」「木大きい」みたいなとき、「蚊」と「木」は2拍になったりします。

 (1) 蚊飛んでる (かーとんでる)
 (2) 木大きい  (きーおおきい)

日本語は2拍のリズムが大好き

 日本語は2拍が連続したリズムが大好き。省略された語なんかを見るとその多くは「2拍+2拍」です。

 (3) ポケモン(2拍+2拍) ← ポケットモンスター
 (4) エアコン(2拍+2拍) ← エアーコンディショナー
 (5) 漫喫(2拍+2拍)  ← 漫画喫茶

 皆さんの出身校の略称なんかもおそらくだいたい2拍+2拍のはず。

 拍は日本語のリズムの最小単位ですが、その拍が2つ連なった単位がよく現れることからこれに「フット」という単位が当てられることがあります。2拍=1フット。

参考文献

 なし




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