【練習問題】(961)ヴォイス
ヴォイスに関わる表現の例として不適当なものを、次の1~4の中から一つ選べ。
1 窓際の生徒にカーテンを閉めさせた。
2 誰でも無料でビート板が使えます。
3 トラウマを思い出してしまった。
4 私は友達に心霊スポットに置いていかれた。
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解説
動詞の形態が変わると格関係も変わる文法現象をヴォイス(態)と呼んでいます。日本語におけるヴォイスとしてよく挙げられるのは、受身、使役、可能です。
(1)a.私が 彼を 殴る
b.彼が 私に 殴られる (受身)
(2)a.私が 彼を 殴る
b.Aが 私に 彼を 殴らせる (使役)
(3)a.私が 英語を 話す
b.私が 英語が 話せる (可能)
受身、使役、可能の例文を用意しました。述語の動詞と格助詞に注目してください。
(1a)の述語「殴る」のときは〔-が-を〕型になっていますが、(1b)「殴られる」と形態が変わると〔-が-に〕型になっていて格関係が変わっています。(2b)も(2a)と異なり〔-が-に-を〕型に変わっています。こんな感じで動詞の形が変わると格関係も変わるようなものをヴォイス(態)と呼んでいるわけです。
この問題においては、受身、使役、可能はヴォイスだと覚えていれば答えは一瞬で3だと分かりますが、分からなければ動詞を基本形に戻して文を作ってみて、その時格関係が変わるかどうか確認すればいいです。
1 窓際の生徒に カーテンを 閉めさせた。(ヴォイス)
→窓際の生徒が カーテンを 閉めた。
2 誰でも 無料で ビート版が 使えます。(ヴォイス)
→誰でも 無料で ビート版を 使います。
3 トラウマを 思い出してしまった。
→トラウマを 思い出した。
4 私は 友達に 心霊スポットに 置いていかれた。(ヴォイス)
→友達が 私を 心霊スポットに 置いていった。
選択肢1、2、4は格関係が変わっているのでヴォイス。選択肢3は違います。
したがって答えは3です。
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