6月8日(土)から音声学の短期講座がはじまります。

【敬語練習問題】(86)「お茶をお飲みになりたいですか」

【敬語練習問題】(86)「お茶をお飲みになりたいですか」

「お茶をお飲みになりたいですか」が規範的な立場から見て不適切とされる根拠として最も適当なものを、次の1~4の中から一つ選べ。
 
 1 「飲む」に対応する尊敬語「召し上がる」を使用していないから
 2 目上の者の願望を直接尋ね、プライベートの領域に踏み込んでいるから
 3 行為者を立てて述べる表現を使わずに丁重に述べているから
 4 接頭辞「お」が複数現れ、文全体で冗長感が生じているから











解説

 「敬語の指針」47~48ページでは、目下の者が目上の者に願望を問うような表現は問題があると述べられています。直接願望を問うのではなく「お茶はいかがですか」などの表現でも意図は伝わるのでこちらの表現を代わりに使うといいです。これ以外にも、目上の者の能力を問うたりするのはプライベートの領域に踏み込むのであまり適切ではないです。

選択肢1

 「召し上がる」を使用して「お召し上がりになりたいですか」としても相変わらず不適切な表現なので、「召し上がる」を使用していないことが不適切の根拠ではありません。

選択肢2

 これが答え。

選択肢3

 「お飲みになる」は尊敬語「お~になる」を使っているので行為者を立てています。
 尊敬語だから丁重に述べているわけでもありません。
 この選択肢は変なことを言ってます。

選択肢4

 「お茶」と「お飲みになる」で二つの「お」が現れていますが、では「お」を減らしてみましょう。
 「茶を飲みになりたいですか」は文法的に問題ありませんが、「お茶をお飲みになりたいですか」と同じく不適切なままです。「お茶を飲みになりたいですか」は文法的に問題があります。「お~になる」のまま使わなければいけないのに「お」を除いたら非文です。
 よって「お」が複数あることが不適切の原因ではありません。

 したがって答えは2です。




コメント

コメントする