【敬語練習問題】(60)「弟のところに伺います」
「先生のところに伺います」は自然だが、「弟のところに伺います」が不自然なのはなぜか。最も適当なものを、次の1~4の中から一つ選べ。
1 「伺う」は行為者を立てるから。
2 「伺う」は行為の向かう先を立てるから。
3 「伺う」は行為者を立てるものではないから。
4 「伺う」は行為の向かう先を立てるものではないから。
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解説
「伺う」は謙譲語Ⅰで、自分から誰かに向かう行為に使い、その中で行為の向かう先を立てるときに使います。
「先生のところに伺います」が正しいのは、自分が先生のところへ行くという行為において、自分をへりくだらせ、その行為が向かう先の「先生」を立てているからです。しかし、この「先生」を「弟」に入れ替えた「弟のところに伺います」は、同様の理由で「弟」を立ててしまいます。「弟」は話し手にとってへりくだる人物でもないし、立てるべき人物でもないので「伺う」は不適切ということになります。
したがって選択肢2の「『伺う』は行為の向かう先を立てるから」が答えとなります。
1 「伺う」は行為者を立てるのではなく、行為が向かう先を立てます。
2 これが答え
3 確かに「伺う」は行為者を立てるものではないけど、それが問題文の直接の理由ではありません。直接の理由は選択肢2。
4 「伺う」は行為の向かう先を立てるものです。
答えは2です。
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