平成23年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅲ 問題6解説
問1 ビリーフ
言語教育におけるビリーフとは、どうやれば効率よく言語を習得できるか、どんな方法が最適かなどの指導や学習に関するその人の考え方のことを指します。例えば「スピードラーニングたくさん聞けば話せるようになる」というビリーフを持って、それを信じている学習者がいたとします。その学習者に対してはスピードラーニングを模した授業をしてあげると学習者が喜ぶかもしれません。でもビリーフは正しいとは限らないし、そもそも教師側にもビリーフがあるので、教師は教師自身のビリーフにしたがって授業をしたりします。ビリーフを満たすとやる気に繋がる可能性があり、無視すると嫌がるかも。難しいです。
よって答えは2です。
問2 学習者の立場からも教科書を分析する
1 教師自身がタスクをやってみると、学習者の立場からも教科書を分析できますね。
2 これは教師の立場からの分析です。
3 教師仲間に聞くのは、教師の立場からの分析です。
4 これは教師の立場からの分析です。
答えは1です。
問3 自己の学習の全体像を把握する
自己の学習の全体像を把握するということは、昨日何勉強した? 今日何勉強した? 明日何勉強するみたいな計画のことです。これが把握できれば、選択肢3の学習の進度や到達度も分かります。
よって答えは3です。
問4 生教材
生教材とは、教育のために作られていない、実際の社会で使われている実物のことです。例えば教室に本物の果物を持っていってそれで授業したりすると学習者の興味を引いたりできます。
中級のビジネスクラスで就職活動の体験談が書かれている実際の雑誌記事を使う場合、この生教材はどんな特性があるでしょう。
1 正しいです。体験談で用いられるビジネス日本語のレベルは学習者のレベルに合っていないかもしれません。
2 正しいです。就活を体験した人の話には最新の情報もあるでしょうし、体験談なので当事者の情報が含まれています。
3 正しいです。体験談なので情報は限定的です。人によって体験に対する感じ方は違うので、その話を普遍化して扱うことは難しいです。
4 間違い。体験談の記事はインタビューか一人語りの形式をまとめたものと思われます。自然な会話モデルとは言えません。
答えは4です。
問5 教材の選択を扱い方
1 初級クラスの学習者にとって新聞は難しすぎます。
2 初級クラスの学習者にとってラジオは難しすぎます。しかも文化的意味について発表も… これは無理。
3 正しいです。ビデオは初級クラスの学習者でも見られますし、自国の新年についてはみんな知っています。
4 初級クラスの学習者にとって百人一首は難しすぎます。まず日本人でもむずいじゃん。
答えは3です。
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