6月8日(土)から音声学の短期講座がはじまります。

ディクトコンポとディクトグロスについて

ディクトコンポとディクトグロスについて

 ディクトコンポ(dicto-comp)とは、教師が読み上げる長めの文章を聞いてキーワードをメモし、メモをもとに読み上げた文章を再生して忠実に書き出す活動のことです。読み上げる文章は一字一句原文通りに再生するのが難しい物語やスピーチが適しています。ディクテーション(dictation)とコンポジション(composition)を合わせた活動なのでこのように名付けられました。

 ディクトコンポの手順は以下です。

 ①教師が文章を読み上げる。その際、学取捨に筆記用具は持たせず、聞くことに集中させる。
 ②読み終えたら記憶をもとにキーワードをメモさせる。(教師がキーワードを教えることも)
 ③学習者の状況に応じてさらに何度か文章を読み上げる。
 ④メモをもとに  個人  で原文を紙に再生させる。
 ⑤再生した文を発表する。

 実際は一字一句原文を再生することは難しいですが、完璧に再生できなくても文章の大まかな内容を捉えて再現していることが重要です。
 なお、メモをもとに  ペアやグループ  になって話し合い、協力して原文を再生する活動ディクトグロス(dicto-gloss)と呼びます。ディクトグロスはリスニングとライティングだけでなく、学習者間の口頭でのやり取りを含む四技能を全て使った活動になります。

参考文献

 金谷憲・阿野幸一・久保野雅史・高山・芳樹(2012)『大修館 英語授業ハンドブック 高校編』176頁.大修館書店
 金谷憲・青野保・太田洋・馬場哲生・柳瀬陽介(2009)『大修館 英語授業ハンドブック 中学校編』152-153頁.大修館書店

 ※ディクトグロスの提唱者は Wajnryb(1990)ですが、原本にあたれずにいます。




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