3月15日(日)は私と妻、その日本からやってきた実習生と4年生1人で万里の長城へ行きました。
公共交通機関を使っていく場合は、北京地下鉄の昌平線で清河というところまで行き、そこから高鉄に乗り換えて20分乗ると万里の長城の最寄り駅に着きます。しかし、私たちは急な計画だったのですでに15日の高鉄は席なし、ということで、北京市内からバスで行く案も浮上しましたが、これはこれで片道1時間半くらいかかる上に、バス車内の環境がちょっと気になるし…

ということで、我々は北京科技大学から直接万里の長城の入り口まで贅沢にもタクシーで行くことにしました。贅沢とはいっても、片道1時間くらいで150元(3000円)くらいなので、日本のタクシーの感覚からするとかなり安いです。たぶん4人で地下鉄乗って、高鉄乗っての費用と同じくらいになりますし。

大学からタクシーで40分くらい走ると、市内では一切見えなかった山々が地平線に見え始めて、かと思えば遠景の山の稜線にずらっと建物が立っています。これはもう万里の長城の一部ですが、私たちが向かうのは八达岭という長城なので目的地はここではありません。でもだんだん近づいている!っていう感じがしてきます。

そうして着いたところは万里の長城への中継地点。本当の長城の入り口までは専用のバスでしか行くことができず、タクシーで行くことはできないので、いったん中継地点に降ろされました。その中継地点でバスに乗り込みます。

列は長めではありますけど、言うほど待ちませんでした。10分くらいでバスに乗れたくらいです。

このバス1台でたぶん40人くらい乗れます。バスは無料で次々来るので、40人ずつ捌いています。国が観光用に用意したバスですねきっと。

車内はこんな感じで、そこまで環境は悪くないです。中継地から長城の入り口までは5分くらいで、かなり近いです。
その車内では、男性ガイドがずっと案内と説明を繰り返していました。これは車内から撮った動画で、長城が近づいてるのは分かりますけど、風景からは分かりません。

そうして着いたのは本物の長城の麓。

こんなふうにお店が並んでいて、観光地そのものです。お土産屋さんもあるし、食べ物屋さんもあります。

この日は天気も良くて気温も13度くらいだったので、これ以上ないくらい良い日でした。
長城は歩いて登るルートもありますし、ケーブルカーで直接上まで行くルートもあります。私たちはせっかくだし歩いていこうという計画でした。

中国名物で、どこ行っても安全検査。でもここの安全検査は地下鉄のとかとは違って厳しいです。カバンを開けて見せるように言われますし、体中触られます。まあ相当警戒している感じでした。

これは入場口手前の建物です。これだけでも立派な建造物ですが、この先に長城があると思えばこの門の価値も下がってしまうのが残念です。
長城へ入るには1人35元でした。旅行シーズンの時は40元だそうですけど、今はそうではないので35元。チケットはネットでも買えますが、現地でも買えます。私たちは外国人が私含めて2人いたので、安全に現地で買うことにしました。チケット買うときはパスポートがないといけないです。

そうして入場すると、さっそく長城の上に上ることができます。入口付近は人がまばらでしたが…

遠くを見ると長い道の上に人がたくさん見えます。
長城は南に行くルートと北に行くルートがあり、入場口のところですぐに分岐します。左に曲がれば南に行くルート、右に曲がれば北に行くルートです。で、今回私たちは北に行くルートを選択しました。なぜなら、北のルートにはここの長城で最も標高が高いポイントがあるからです。現地の看板の説明によると、標高800mくらいです。
最初は山だって聞いていたのでそれなりの服装で来るべきかと思ったんですが、800mというと全然高くはないので、いわゆる山の天気ということもなく、市内とあまり変わらない体感でした。

長城に入って一番最初に目に付いたのがこれです。

壁に彫刻刀か何かで掘ったような跡があり、そのほとんどが書き手の出身地と名前です。私はどこどこから来たなになにです、と書きたがるのは全世界共通なのかもしれません。ただ、彫刻刀のようなものは安全検査の段階で絶対に持ち込めないので、妻はたぶん車の鍵か何かで書いているのかもしれないと推理してました。そうかもしれない。

この上の写真を見てください。
山の向こうに道が続いているんですが、そのてっぺんに小さな城みたいなのが見えるはずです。長城はただの道がずっと続いているのではなくて、こういう城のようなものが一定間隔で作られています。たぶん昔の監視塔です。入場口のところを0として、そこから北に行って1つ目の監視塔を「北一楼」、二つ目の監視塔を「北二楼」というふうに名付けているのが地図で分かりました。

北ルートには、地図によると12の監視塔があり、つまり北十二楼まであるということです。しかし、私たちが目指す最も標高が高いところは北八楼です。目標としてはここまで行き、気分によってその先に行くかどうかを決めるというプランです。
↑の写真も相当傾斜があるところで、万が一前の人が後ろに倒れてきたら大変なことになるくらいぎゅうぎゅう詰めの状態で登っています。一本道とはいえ、人が多いので子供なんかは容易にはぐれてしまいそうですし、気を付けないといけません。
この動画に映る、最も遠いところの監視砦が私たちが目指す北八楼です。目視できるので体力があって走りさえすればすぐに着きそうな感覚になるんですが、ここは言っても山なのでその感覚は実のところ錯覚ですね。それに、人が多すぎて案外自分のペースで進めません。

これが監視砦。
これが本当に監視砦の役割を持ってたのかどうかは分からないですが、でもこの建造物は小さい山の頂上付近にたくさん作られています。つまり、やっぱり高いところから見下ろすために作られているんだろうと予測されるので監視砦なんだと思います。
入ると中は狭い空間があって、屋根があるので寒いです。階段もあって屋上に行けるようでしたが、そこは進入禁止でした。

中には丸い窓がついています。この窓に座って写真を撮っている女性がいました。
しかし、この窓の下は10~15mの絶壁で、落ちたら死んでしまいます。さすがにフェンスか何か用意すべきではないかと思いますが…

さらにちょっと進むと、北二楼のあたりだったかと思いますが、この写真のように自分の身分証明書をかざして、その背景に長城を映り込ませて写真を撮る人たちがたくさん現れます。何がなんだか分からなかったんですが、妻によると、中国の身分証明には万里の長城が描かれていて、それと景色が一致する場所がまさにそこだったみたいです。そう聞くとなるほど!ですね。

途中、ちゃんと自動販売機もあるし、トイレも用意されています。
自動販売機の水はちゃんと山料金。下界で2元(約40元)の水は、ここでは10元(約200円)になっていました。昔安達太良山に登ったときの山小屋のカップラーメンがすごく高かったのを思い出しました。



そして、なんとここにもネコちゃんが!
万里の長城にも猫が住んでいると噂で聞いてましたが、ちゃんとルート上にいました。人との距離は1~2mくらいで、なんの警戒もなく寝ています。人に慣れすぎています。
このネコちゃんたちにご飯を持ってくる人もいるようで、アイドルみたいになってます。誰も手を出したりしませんし、ご飯を食べた後は安心して寝に戻りました。動画内で妻も指摘してますが、妊娠しているっぽいです。
帰るまでの間にネコを8匹くらい見かけたので、このあたりで繁殖しているんだと思います。寒ければ監視砦の中で風をしのいで暖を取れるでしょうし、近くには古い小屋もあるので、もしかしたらその中にも寝床があるのかもしれません。なんにせよ太っているので安心ですね。
これは私曰く、動画じゃ伝わらない坂です。歩いてて本当にしんどいです。
どうやって伝えようか悩みましたが、こうして壁基準で動画をとると、人の歩き方が斜めになってるのが分かると思います。このくらいの傾斜です。

長城の外側を見ると、外側にも建造物があって、あれも長城の一部なんですね。ずらっと一列に連なっているわけではなくて、とにかく監視しやすいように、あるいは敵が侵入しやすいところに建てているので、必ずしも真っすぐではないし、1本ということでもないようです。
途中、非常に混んでいるところがありました。道が人2人分の横幅しかないので、待ち行列ができています。こういうところに交通整理員がいてくれたら大変助かるんですが、残念ながらいません。

そしてこの写真に写る監視砦が北八楼です。ここはやっぱり一番標高が高いところということもあるし、ちょうど折り返せるポイントにもなっているので人がたくさんいました。

北八楼の頂上は一番高いから絶景スポットでもあり、またここが最終目的地になる人も多く、写真撮影スポットになっています。しかし、頂上付近はスペースが限られていますし、登る道と降りる道も分かれていないし、交通整理員もいないので実質無秩序状態です。

加えて足元はこんな風にとんでもない傾斜の階段なので、誰かが転べばみんな大変なことになる状況でした。
ただ、私たち4人もここで写真を撮りたいので、もう無理やりかき分けて頂上付近まで行き、4人でなんとかスペースを取りながら写真を撮ったって感じです。人の流れが悪くなっていて、本当にここに長居をすると危ないなと感じます。それでも景色はすごい良かったです!

北八楼に着いた私たちは、本当の終点である北十二楼まで行くかどうか判断を迫られます。地図によれば、北八楼に折り返しの専用通路が用意されているんですが、北八楼以降はそれがなく、進めば進んだだけ同じ道を戻ってこないといけません。登り始めたのが12時頃で、北八楼についたのは3時頃でした。ここから先に行くと日が暮れる可能性があったので、やむなく折り返しに。
折り返しポイントにはお店もあり、ここで万里の長城をかたどったアイスをいただきました。このアイス、1本で22元と高級です。観光地プライス。
折り返しポイントで何やら乗り物(滑车)を発見します。これ日本語で何というかちょっと分からないんですけど、これに乗るとすんなり下山できるそうです。しかも「熊楽園」という動物園に行くことができるそうで、私たちは来たルートをそのまま戻るよりも面白そうなこっちを選択しました。

ここがそのチケット売り場です。

チケットは何と1人80元(1600円)。中国的にはぼったくりにも近いくらい高額です。
この強気な価格のおかげで、利用者はかなり少ないです。もっと安くすればもっと人が来るかもしれませんけど、それはそれで渋滞して人を運びきれなくなるのかもしれません。

そしていよいよ私たちの番が来ます。待ち時間は3分もありませんで、すぐ乗れました。
こんな感じで、結構なスピードで降りていきます。ブレーキは先頭の係員のサイドブレーキにかかっていて、ちょくちょくカーブが来るところで万が一壊れでもしたらと怖くなりました。レールの基礎もハイプのようなもので支えているだけに見えたので、かなり不安でした。
体感は2分くらい乗っただけ。それで80元、かなり高額です。まあ経験としては良かったです。

そうして着いたのは熊楽園。飼育されている熊を見られます。
この熊もまた腕を動かして人からエサを投げてもらおうとしています。秋ごろ熊のニュースで大変だった日本を思い出しますが、こうしてみるぶんにはかわいいです。
もうここまで来ると長城感はなくて、ただの熊の動物園です。
そうして熊楽園から15分ほど歩き、再び長城の入り口へと戻ります。長城の入り口からはタクシーやバス乗り場などがある中継地点までバスに乗り、ここに着きました。この時はもう16時半ごろで、人はほとんどいません。
帰りもタクシーを呼んで大学まで150元くらいで帰りました。
中国にいたのに今まで一度も長城に行ったことはなかったので、また一つできる話が増えました。
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