今回は4年生の卒論の授業についてちょっと書こうと思います。
卒論の授業は来学期に書くことになる卒論のテーマを決めて、先行研究や背景を明確にするための授業です。私が履歴書で学術的な方面のアピールをしたためか、今学期この授業を担当することになりました。卒論というと孤独な闘いがずっと続く印象がありましたが、私は必ずしも孤独で闘う必要はないんじゃないかと思って。そこで、テーマを決める段階で学生同士で協力して、意見交換しながら深めていこうという、卒論の授業にはあまりないと思うディスカッションのスタイルを採用しました。
前半45分は私から論文についての講義をして、後半45分は学生同士で話し合い、自分の卒論の内容を深めていく作業を行います。今日で4回目の授業が終わりましたが、第1回目は文化、社会、言語、文学の4つの中から一つ選び、第2回目はその分野に関係する抽象的なテーマをたくさん挙げ、第3回目では抽象的なテーマに対する疑問をたくさん挙げ、第4回目ではそれらの疑問に対する仮説を考え… という感じで順序良くやってきました。抽象的なテーマを挙げたり、疑問・仮説を考える際には学生同士に話し合ってもらうので、孤独を感じさせずみんなで協力してやろうというスタイルで最後までいくつもりです。
それから、後半45分で学生が話し合っている間は、学生1人を呼んで私と個人面談5分をするという感じで個別指導もしています。毎週学生の論文のテーマを聞くので、ここが意外と楽しいところです。
例えば今日は…
日本では中古の家電や服が多くみられるが、中国ではあまり見られないのはなぜか?という疑問を持った学生がいました。このようなビジネスが日本で成り立つ一方、中国ではほとんど見かけない。そのあたりを研究対象にできませんか?という話です。彼女が言うには、中国では家電は新しいモノを買うのが一番良いという考え方があると言ってました。それは新しいものが安心ということですね。でも日本はなぜメルカリとか中古屋さんがいっぱいあるのかというと、それは「もったいない精神」が関係しているとも仮説を立てていました。ではその仮説を検証するにはどんなデータが必要だろうか、みたいな話もしているとあっという間に5分すぎてしまいます。
日本のフリマアプリ「メルカリ」と中国のフリマアプリ「闲鱼」のジャンルごとの出品数を比較したり、会社の利益自体を比較したり、人口あたりのユーザー数を比較したり… あるいは日本と中国の中古屋さんの数を比較したり… みたいなことから一応比較はできるかもしれません…。先行研究がないことが大前提ですが、廊坊にいた頃の卒論の水準からするとたぶんこのくらいの内容でも十分にデータを集めることさえできれば卒業要件を満たせる気がします。ただそれは今私の感覚でしかないので、過去の卒論がどんな感じだったのかは私のほうで確認する必要がありそうです。
だいたい個人面談をしているときは、できるだけ私の意見は言わないように心がけています。クリティカルな質問を投げて考えを深めるようなきっかけを与えられればと考えているのと、いろんな分野のテーマが私に降りかかってくるのでそれにすべて対応するのは不可能だからです。ただ、学生同士の話し合いと個別面談を通して、今学期の最後には一応のテーマ選定ができればいいなと思います。

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