平成29年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅱ 問題2解説

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平成29年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅱ 問題2解説

1番

 「ざんねん」というべきところを「ざねん」と言っています。「ん」が抜け落ちて拍の長さが短くなっています。
 答えはaです。

2番

 「へえ⤴、どんな映画を見ったんですかあ⤵」と言っています。
 余計な「っ」が増えて拍が長くなっており、文末イントネーションも上がるべきところで下がっています。
 答えはbです。

3番

 「そうですか⤴」と言っています。文末のイントネーションは下がるべき。
 あとアクセントも「高低低低低」とするべきですが、この学習者は「低高高高高」と言っててアクセントも間違い。
 答えはcです。

4番

 「ひいて」は「低高高」と言うべきですが「高低低」と言っています。アクセントの間違いです。
 答えはdです。

5番

 「どのサークル?」と聞いているから「ダンスのサークル」を強調すべき。でも「入りました」にプロミネンスを置いています。また、文末は「入りました⤴」と不要な上昇調イントネーションがあり、イントネーションにも問題があります。

 答えはcです。

6番

 「時間があれば」を強調すべきですが、「行きます」を強調してしまっています。プロミネンスの誤りです。
 また、「行きます」は「低高高高」と言うべきところを「低高低低」となってます。アクセントも間違い。
 答えはcです。




コメント

コメント一覧 (4件)

  • 村瀬です。いつも勉強させてもらい、ありがとうございます。

    一つ教えてください。H29年度試験Ⅱの問題2の4番(上部に記載されていますね)のご説明の中で

    【本来「ひいて⓪」と言うべきところを「ひいて①」と言っています。アクセントの間違いです。
     したがって答えはdです。】

    と説明されてありますが「ひいて⓪」、「ひいて①」の意味はどう解釈するのですか?
    ご指導ください。

    • >村瀬さん
      こんにちは、お答えいたします。
      この⓪や①はアクセントを表す記号の一つです。検定試験では過去一度も出題されたことがありませんが、外国人向けの教科書で書かれていることがあります。
      検定試験のアクセント型は平板型、頭高型、中高型、尾高型の4種類に分けられて出題されます。これはアクセント核が語のどの位置にあるかによって分類したものです。
      そしてこの⓪や①というのは、”語頭から数えて何拍目に核があるか”を表したものです。「テレビ(が)」は1拍目の「テ」が核なので①、「子猫(が)」は2拍目の「ね」が核なので②、「明日(が)」は3拍目の「た」が核なので③です。この表記で注意すべきは⓪で、「洗濯(が)」のように核がないのが⓪になります。

      この表記の強みはアクセント核の正確な位置が分かることです。拍数の多い単語、例えば「ゆでたまご(が)」は中高型ですが、”中高”といっても核が「で」なのか、「た」なのか、「ま」なのかは確定しません。そこで中高型の代わりに③と表すことで「た」が核となることが分かります。学習者にとってはこっちの表記のほうが分かりやすいと思います。

      • おはようございます。深夜までお時間をいただき、ご丁寧な、例を伴うご説明、誠にありがとうございます。
        これで、とてもよく理解できました。疑問が解けて、また邁進できます。

        検定試験まであと一か月になりました。悔いなく時間を使い、あとはおまかせです。
        どちらにせよ結果については、またご報告いたします。

        こんごとも、よろしくお願いいたします。

  • おはようございます。その後、試験に向けてあわただしくしていました。今週日曜日に、受験を終えることができました。これは、先生の、熟慮されたご説明で勉強させていただいたおかげだと、感謝しています。
    私は、九州、福岡在住ですから、試験場は九州産業大学でした。自分が他に電気主任技術者の業務を遂行しながらの受験でしたので、10月など、時間や仕事の対応で頭がいっぱいになり、不安が続きました。体が丈夫なほうではないので、風邪ひいたら、力を発揮できなくなるため、細心の注意を払いながら進めました。
    まだ、結果出ていませんし、自己採点も完全にはしていませんが不合格だと思います。

    勉強が足りなかったこと。経験が不足していて、自宅学習のような試験時間の使い方を試験Ⅰでは行い、15問くらい、わかりやすい後半の問題に手を付けられなかったこと。想像以上に、時間との戦いを強いられたこと。

    試験Ⅱはまあ対応できたし、良い感触はあったのですが、スピードについていけない問が生じたこと。余裕がなかったこと。

    試験Ⅲは対応を変え、文法など苦手な分野を後回しにし、全問解答を行って回答することはしたのですが、わからない問も多く、山勘になったこと。

    論文は少し捨て身な気持ちになり、思いのたけをぶつけて書いて少し気持ちが落ち着いたこと。
    実は、追い込まれた心境でしたが40分かけて、かけすぎですが、『外国語副作用のため、語彙の理解に時間をかけ過ぎると、短期記憶容量が足りなくなり、認知能力が落ちて談話全体の大意を理解できなくなるという、理論を書きました。

    以上が今回の初受験の結果です。ほんとにご指導で学習を助けていただきました。感謝いたします。

    最後になりますが、中国での、また世界の場所を問わず日本語をご指導され、人材を育成されコミュニケーションの多い、信頼感の多い世の中になることを願っております。

    今後も先生のご活躍をいつも応援させていただきます。どうぞ、お身体に気を付けられ、充実の毎日をお過ごしくださいませ。

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