平成28年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅲ 問題16解説
問1 外国人受け入れ環境の整備
『訪日外国人旅行者の受入環境整備 | 国際観光 | 政策について | 観光庁』には次のように書かれています。
ムスリム旅行者が訪日した際に、宗教的・文化的な習慣に不便を感じることがなく、安心して快適に滞在できる環境の向上を図る取り組みを行っています。
答えは2です。
問2 外国人の出身国・地域
『法務省:平成26年末現在における在留外国人数について(確定値)』からの出題。平成26年末現在における在留カード等上の国籍・地域別の順位組み合わせはこうでした。
順位 | 出身国・地域 | 人数 |
---|---|---|
1 | 中国 | 654,777人 |
2 | 韓国・朝鮮 | 501,230人 |
3 | フィリピン | 217,585人 |
4 | ブラジル | 175,410人 |
5 | ベトナム | 99,865人 |
答えは3です。
問3 在留資格
『法務省:日本での活動内容に応じた資料【在留資格認定証明書交付申請】』によると…
1 「興行」(例,俳優,歌手,ダンサー,プロスポーツ選手等)
2 「留学」(例,大学,短期大学,高等学校,専修学校等の学生)
3 「技能実習」(例,技能実習生 ※技能実習1~3号イ及びロ,いずれも共通)
4 「定住者」(例:日系3世)
答えは1です。
問4 生活上の行為の事例
『「生活者としての外国人」に対する日本語教育の標準的なカリキュラム案について 』(魚拓)によると…
選択肢1
標準的なカリキュラム案の活用例に発車する時刻や掛かる時間を尋ねる、目的地への行き方を尋ねる、券売機を利用するなどが含まれています。この選択肢は適当。
選択肢2
生活上の基盤を形成するために「生活者としての外国人」が知っておくことが求められる生活上の行為の事例に関する社会・文化的情報を記述した。
このように書かれているのでこの選択肢は適当。
選択肢3
来日間もない外国人が,その生活基盤を確立する上で必要となる日本語学習の時間について検討し,標準的なカリキュラム案全体に当たる30単位を60時間とし,それを必要最低限の時間数の目安とした。
こう書かれているのでこの選択肢は適当。
選択肢4
そのような記述はありません。
答えは4です。
問5 外国人労働者の2014年時点での状況
『「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(本文)(平成 26 年 10 月末現在)』からの出題。
選択肢1
労働者派遣・請負事業を行っている事業所は 15,116 か所、当該事業所で就労する外国人労働者は 178,802 人であり、それぞれ事業所全体の11.0%、外国人労働者全体の 22.7%を占めている。
3%ではなく22.7%です。この選択肢は間違い。
選択肢2
平成 26 年 10 月末現在、外国人労働者を雇用している事業所数は 137,053 か所であり、外国人労働者数は 787,627 人であった。
100万人は超えてません。約78万人です。
選択肢3
産業別にみると、「製造業」が 26.4%を占め、次いで「卸売業、小売業」が16.6%、「宿泊業、飲食サービス業」が 14.0%、「サービス業(他に分類されないもの)」が 7.8%となっている。
最も多いのは「卸売業、小売業」ではなく「製造業」。この選択肢は間違い。
選択肢4
)事業所規模別にみると、「30 人未満」規模の事業所が最も多く、事業所全体の 54.6%を占める。
これが答え。
答えは4です。
コメント
コメント一覧 (5件)
質問があります。
問4の「生活上の行為の事例」の『30単位で構成され、最低限の学習時間は60時間が目安』ですが、技術実習生なら、斡旋団体が行うんでしょうか?それ以外なら、日本語学校か地域の日本語教室でしょうか?
>むつさん
コメントありがとうございます。
技能実習生でしたら入国後2か月の日本語教育が義務付けられています。その教育は受け入れ団体が行います。受け入れ団体のほうで人数的に手に負えないようだったら地域の日本語学校などに委託されたりします。
ありがとうございました。
私の所属している地域の日本語教室(ボランティア)ですが、
ある受け入れ団体の依頼で、学習者を受け入れたことがあります。これも、管理人様の解答と同じでしょうか。
参考になりました
>むつさん
そうですね。確か日本語教師の資格がなくても教鞭をとれるはずです。
ありがとうございました。
しっかり理解できました、今年の日本語教育能力検定試験を受けます。この問題は始めてみましたが、管理人様のやりとりを通じて、理解が深まりました