平成26年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅰ 問題12解説

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平成26年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅰ 問題12解説

問1 リンガフランカ

 1 意思疎通するために用いる共通語(→リンガ・フランカ
 2 いわゆる俗語。
 3 社会的に差別されることになる要因のこと(スティグマ)。
 4 言語の使用領域のこと(ドメイン)。

 文章中に「共通語」とあるのがポイント。
 答えは1です。

問2 ピジン

 ピジンとは、異なる言語を話す者同士が意思疎通するため、お互いの言語の要素を組み合わせて作られた接触言語のことです。お互い正しい意思疎通をするために文法が単純化されたり、一つの単語が多義的に用いられたり、発音も簡略化される傾向があります。

選択肢1

 複合語や繰り返しが何を指してるのかよく分かりませんが、ピジンは単語が少ないので、その限られた単語で意思疎通するために繰り返しが多くなったり、限られた単語を組み合わせて複合語を作るようなケースが多いのだと思います。

選択肢2

 母語が違う者同士の意思疎通のためにはできるだけ複雑な文法を使わないほうが良さそう。言語を組み合わせる際、文法などは単純化され、伝わりやすく変化します。

選択肢3

 ピジン言語は単語の数が少ないので、限られた単語で意思疎通を行うために一つの単語が多義的になります。意味範囲は広いです。

選択肢4

 母語が違う者同士の意思疎通のため、文法と同じく発音も簡略化されます。とにかく簡単、簡単なほうに変わっていくのがピジンです。

 答えは3です。

問3 ダイグロシア

 社会言語学者のファーガソンはある社会に異なる2つの言語が同時に存在し、それらが状況によって使い分けられる状態をダイグロシアと呼びました。例えば、公では標準語を使うけど、プライベートでは地域方言を使うなどの状態を指します。そして高級と思われているほうの言語を「威信の高い言語」、低級と思われているほうの言語を「威信の低い言語」といいます。

 答えは3です。

問4 コード・スイッチング

選択肢1

 イマージョン・プログラムとは、学校で二つの言語を使い分け、第一言語を維持しながら第二言語を習得させるとともに教科学習も行う教育のこと。

選択肢2

 スピーチスタイルシフトとは、1つの場面で1人の話者が普通体から丁寧体、あるいは丁寧体から普通体へと切り替えて丁寧さの度合いを変化させること。

選択肢3

 相手によって自分の話し方を変える現象を説明するための理論。

選択肢4

 コード・スイッチングとは、同一話者が同一場面で二つの言語を切り替えて使う現象のことです。これが答え。

 答えは4です。

問5 連続バイリンガリズム

 先に一つの言語を習得した後に、もう一つの言語を習得するようなバイリンガルを連続バイリンガルと言います。

 1 3言語話すのはトリリンガル、あるいはマルチリンガル
 2 連続バイリンガルの記述
 3 同時バイリンガルの記述
 4 削減的バイリンガルの記述

 答えは2です。




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