「付き合う」と「付き添う」の違いは?

日本語Q&A

質問者さん
(中国)

 「付き合う」と「付き添う」の違いは何ですか?

管理人

 「~に付き合う」は”一緒に行動する“、「~に付き添う」は”そばにいてお世話をする“という意味です。
 「~と付き合う」は交際するという意味がありますが、「~と付き添う」という言い方はありません。

「付き合う」と「付き添う」の文型

 「付き合う」と「付き添う」の文型から比較してみます。

 (1)a 〇彼は彼女付き合う  <~が~付き合う> ※交際する
    b 〇彼は彼女付き合う  <~が~付き合う> ※一緒に行動する
 (2)a 彼は彼女付き添う  <~が~付き添う>
    b 〇彼は彼女付き添う  <~が~付き添う> ※お世話する

 「付き合う」は(1)のように<~が~と>型と<~が~に>型の2種類の文型をとります。前者の文型(1a)のときは”交際する“という意味になります。後者の文型(1b)のときは”一緒に行動する“という意味です。一方、「付き合う」には<~が~と>型の文型はありませんので(2a)は誤りです。<~が~に>型のときは”お世話する“という意味になります。
 (1b)と(2b)についての比較は後述します。

「付き合う」と「付き添う」の意味

 「付き合う」と「付き添う」はちょうど似ているような場面で使えるので、次のような文脈で比較してみます。

 (3) 母の買い物に付き合う
 (4) 母の買い物に付き添う

 (3)の「付き合う」は一緒に行動するというような意味ですが、(4)の「付き添う」はそばにいてお世話(介護など)をしながら一緒に行動するという意味を持っています。だから(4)は、母が自分ひとりでうまく歩けなかったり、そばにいて介護などのお世話が必要だったり、あるいは母に対して何かの面で心配しているみたいなことが暗示されます。(3)の「付き合う」にはそのようなニュアンスはほとんどありません。この点が違いです。

 まとめると…

付き合う 付き添う
~が~と 交際する
~が~に 一緒に行動する そばにいてお世話する

参考文献

 北原保雄(2010)『明鏡国語辞典 第二版』大修館書店




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