造語法とは?

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造語法

 新しい概念に対して割り当てられる語を造り出す方法造語法と言います。国立国語研究所(1985: 60-61)によれば、造語法は既存の語彙資材を利用せずに語根自体を造り出す語根創造と、既存の語彙資材を利用して新しい語を生み出す方法の2つに大きく分けられます。後者はさらに合成、混淆、借用、縮約、文字による造語、逆成に分けられます。

 各造語法の解説は以下のページにまとめていますのであわせてご覧ください。

 ●語根創造(root creation) … まったく新しい語を創造する
 ●合成(composition) … 既存の語を組み合わせる
 ●混淆(blending) … 複数の既存の語の一部を取り出して組み合わせる
 ●借用(borrowing) … 別の言語から借り入れる
 ●縮約(abbreviation) … 既存の語の一部を省略する
 ●文字による造語 … 文字にちなんだ造語
 ●逆成(back formation) … 派生語でない語を派生語とみなして接辞を取り除く

文字による造語

 「白寿」は99歳を表しますが、それは「百」から「一」を取り除いたら「白」ができることからこのように呼ばれています。「白」には99歳の意味はないので、文字を利用して造語しています。また、88歳を表す傘寿は、「傘」の略字にあたる「仐」が「八」と「十」の組み合わせとして見たことからこのような意味を持つようになりました。これもまた「傘」の字義的な意味に88歳の意味は含まれず、文字を利用して造語しています。この種の造語法は文字による造語(文字による方法)として分類されています(国立国語研究所 1985: 73-75)。

 (1) 白寿 (百マイナス一)
 (2) 傘寿

参考文献

 国立国語研究所(1985)『語彙の研究と教育(下)』60-75頁.大蔵省印刷局




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