有声化(voicing)
音声環境の影響で無声音が有声音となる発声の同化を有声化(voicing)、あるいは無声音の有声化と言います。日本語における有声化の例としては連濁が有名です。複合語の後部要素の語頭子音がその前後に位置する有声音に同化して有声化します。
(1)a 蜘蛛 [kɯmo]
b 毒蜘蛛 [dokɯgɯmo]
(2)a たこ [tɑko]
b 銀だこ [gindɑko]
「蜘蛛」は単純語では [kɯmo] ですが、(1)のような複合語では [gɯmo] になります。これは無声子音 [k] が有声音 [o] と [ɯ] に挟まれたことで有声音に同化し、[k] から [g] に有声化したものです。
参考文献
服部義弘(2012)「音節・音連鎖・連続音声過程」『朝倉日英対照言語学シリーズ2 音声学』73-75頁.朝倉書店
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