再帰代名詞とは?

再帰代名詞(reflexive pronoun)

 再帰代名詞(reflexive pronoun)とは、それが含まれる文、または節内の別の項と指示対象が一致する代名詞のことで、人称代名詞に含まれることがあります。主に主語を先行詞として、主語が指す対象と同一の対象を指します。日本語の再帰代名詞は「自分」「自分自身」などで、例えば(1)の「自分」は、この文の主語である「佐藤」が指す対象と同一の人物を指しています。

 (1) 佐藤は自分を高く評価している。
 (2) 私は自分自身の力を信じている。

 英語では、人称代名詞の所有格 my や your、目的格の him や her などに -self, -selves を付けた形式 myself, yourself, himself/herself/itself, ourselves, yourselves, themselves が再帰代名詞にあたります。

 (3) I made this cake by myself.
     (私はこのケーキを自分で作りました。)
 (4) Did you do it yourself?
     (あなたはそれを自分でやったのですか?)
 (5) He blamed himself.
     (彼は自分(彼自身)を責めた。)
 (6) She made the dress herself.
     (彼女はそのドレスを自分で作りました。)
 (7) The cat cleaned itself.
     (猫は自分で体をきれいにしました。)

 中国語の再帰代名詞(反身代词)には、「自己」「他自己」「她自己」があります。

 (8) 张三给了李四一张他自己的照片。
     (張三は李四に自分自身の写真を1枚あげた。) (翟 2019: 125)
 (9) 小李讨厌自己
     (小李は自分のことが嫌い。)

参考文献

 安藤貞雄(2005)『現代英文法講義』440-445頁.開拓社
 斎藤純男・田口善久・西村義樹編(2015)『明解言語学辞典』146頁.三省堂
 翟勇(2019)「汉语反身代词的第二语言习得考察」『静言論叢』2: 123-142.




コメント

コメントする