ラポール(rapport)
カウンセリングにおいて、クライアントとカウンセラーの間に形成される、お互いに理解し合えるような信頼関係のことをラポール(rapport)と言います。ラポールは特にカウンセリングの初期段階で重要です。クライアントとカウンセラーがお互いに安心して自由に思っていることを話せるような関係性を徐々に形成していくことでクライアントの自己開示を促します。カウンセリングにおけるラポールの形成はクライアントの活動の一種であり、これが実現されなければ素直な対話は望めません。
言語教師は異文化に滞在する学習者を相手にすることから、カウンセラーとして部分的にクライアントにあたる学習者に向き合う役割を担うことがあり、その場合にはラポールを形成することが求められます。例えば、日本語学校では留学生のメンタルヘルスの支援が行われ、生活指導という形でプライベートな領域に介入することがあります。日頃からコミュニケーションをとり、ラポールを形成しておくことはいざとなったときに役立ちます。
参考文献
福島脩美・田上不二夫・沢崎達夫・諸富祥彦(2004)『カウンセリングプロセスハンドブック』41-42頁.金子書房
G.R.ファンデンボス(監修)・繁桝算男(監訳)・四本裕子(監訳)(2013)『APA心理学大辞典』905頁.培風館
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