令和7年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅰ 問題1(3)解説

令和7年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅰ 問題1(3)解説

(3)母音の無声化

 日本語では、無声子音に挟まれた狭母音 /i,u/ が周囲の無声音に同化して無声化する音韻現象が見られます。これを母音の無声化と呼びます。

 (1) 試験 [ɕikeɴ] → [ɕi̥keɴ]

 たとえば、「しけん」の /i/ は無声子音 /ɕ/ と /k/ に挟まれています。このようなとき、/i/ ははっきり発音されず、無声化して発音されることがあるわけです。このように、各選択肢に母音 /i,u/ があるかどうか確認し、あればそれが無声子音に挟まれているかどうかを確認しましょう。

 1 /kiri/ → /i/ はあるが、無声子音/k/ と 有声子音/r/ に挟まれているので無声化しない
 2 /kusa/ → /u/ があり、無声子音/k/ と 無声子音/s/ に挟まれていて無声化する可能性アリ!
 3 /simo/ → /i/ はあるが、無声子音/s/ と有声子音/m/ に挟まれているので無声化しない
 4 /suna/ → /u/ はあるが、無声子音/s/ と有声子音/n/ に挟まれているので無声化しない
 5 /niwa/ → /i/ はあるが、有声子音/n/ と有声子音/w/ に挟まれているので無声化しない

 試験ではできないですけど、ゆっくりじゃなくて早口で各選択肢をしゃべってみてください。すると「くさ」の「く」では、「う」をはっきり言わないで /k/ だけ残って発音しませんか? それが無声化です。こういう音の変化に関する問題が出たら、こっそり発音してみるか、無声音や有声音などの音声環境を確認するかするといいです。

 答えは2です。




コメント

コメント一覧 (3件)

  • 初めまして。
    最近、こちらのサイトを参考に勉強させていただいており、大変助かっております

    この問題についての質問となります。
    3番の /simo/ ですが、この箇所で無声子音/s/ とありますが、 [ʃ] ではないかなと思いますが、いかがでしょうか。

    どうぞよろしくお願いします。

    • >かえでさん
      コメントありがとうございます! 毎日のんびり日本語教師です。お答えします。
      発音の表記は2種類ありまして、一つは国際音声記号での表記、もう一つは音素表記です。
      国際音声記号での表記は[]で表します。この場合、日本語の「し」の子音は、[ɕ]もしくは[ʃ]ですので、ご指摘の通りです。
      音素表記の場合は//で表します。国際音声記号では、サスセソの子音は[s]、シの子音は[ɕ]もしくは[ʃ]で表しますが、音素はこれらをまとめて/s/と扱うことが一般的です。同様に、タ行なら/t/、ナ行なら/n/でひとまとめにして表します。まるでローマ字の子音部分のように書くのが特徴です。
      ここでは音素表記で解説していますので/s/を用いていますが、もし国際音声記号を用いて解説するのであれば、ご指摘の通り[ʃimo]のように書くのが正しいです。

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