9月7日からまた新しい一年が始まります。あっという間に1年が過ぎまして、2年目に入ることになりました。私にとっては3つめの学期です。去年1年間は何も分からないまま、大学の一連の業務を周りの人に助けてもらいながらなんとかやりきれたので、2年目からは経験アリで少し楽になるかなと思います。
昨年度は作文を主に担当して、作文のデータがかなり集まっています。だから作文をもう一度やりたいなあと思っていたんですが、学校は、作文は新しい先生に担当してもらうという判断で私は担当できませんでした。
そうそう、今学期は新しい先生が来ます! 1人いなくなったので、1人補充したみたいです。私はいつも人が少ないところばかりにいたせいで、日本語教師の同僚と呼べる人はこれまでに4人しかいなくて、職場の仕事で話ができる環境にほとんどいなかったので、新しい人というとなんだかワクワクします。
ちなみに来学期の授業、私は3つ担当します。
3年会話
3年生は2クラスあって、それぞれ週2回会話の授業があります。なので学期を通して1クラスに30回授業です。30回分の教案を考えておきたいんですが、私の過去の経験から3年生はディベートと決めました。
でも大きな問題は学生のレベルにかなり差があって、ディベートをすると、レベルの高い学生はスマホを見たりせずに即興で話せるのに対し、そうでない学生は聞き取ることが難しく、話すときは翻訳を読み上げる形になってしまうのが予想されます。そうすると、話すときに翻訳を介さないといけないために無言時間が増えたり、今の話の流れが分からないために一方的な主張を述べてしまったりします。結局レベルを低いほうに合わせるしかないので、高いほうの満足度が下がってしまいます。
ただ一つ幸いなこと(?)は、レベルの低いほうの学生はほとんど日本語を学ぶ意欲がなく、ただ単位を取れればいいという感じです。短期留学を間近にしてちゃんと会話能力を伸ばしたいと考える学生と、単位をとれればいいと考えている学生ではニーズが全然違うので、混ぜて扱うとお互いに不満が出てしまいますから、同じ授業ですけど、思い切って授業内でグループを分けることにしました。
一つのグループはディベートグループ、もう一つは筆記課題グループです。ディベートグループはとにかく授業でディベートを繰り返すグループで、筆記課題グループはそのディベートのテーマについての自分の意見、ディベートで誰の発言が良かったか、関心した反論は何だったかなどを書いて提出するグループです。
授業の初めに、自分の目標に合わせてディベートか筆記課題かを選んでくださいと伝え、学生自身に選択をさせることにしました。そうすれば、会話をちゃんと学びたいという人がディベートに集まり、ディベートのレベルは高めに維持されて指導効果が高められますし、一方で単位を取れればいい、別に興味ない、楽したいと考えてる人は筆記課題で提出さえしてくればOKという状況になって、みんなWin-Winじゃないかと。
こういう授業中に2つのグループを作るのは私も初めてなので、いったん今学期やってみてうまく行くか試してみるんですが、今のところ想像されることは、ディベートグループと筆記課題グループの待遇に気をつけないといけないことだと思っています。
ディベートでしっかり話せて、筆記課題もちゃんと提出してくれれば、授業中のパフォーマンスは同一に扱い、どっちのグループを選んだとしても成績に差はないということはしっかり学生に担保してあげることはかなり重要です。あと、ディベートグループに入る学生は先生とのコミュニケーションが増えますが、筆記課題グループは授業中に書き物中心になるので、先生と話す機会は減ります。そういう環境がもしかしたら排外的に感じられる可能性があるかもしれないので、グループを問わず、ディベートが終わった後のまとめの段階では、筆記課題の学生にも口頭で意見を聞いたりだとか、そういう中立的な配慮が必要になるかなと思っています。
片方のクラスはほとんどみんな意欲的なのでディベートが賑わう感じがしますけど、もう一つのクラスは結構深刻で、ディベートグループに来る学生で固いのは3人。あと2~3人が来てくれるかどうかっていう感じです。最低4人いてくれれば2:2でディベートはできますから、それを満せるように私がお願いする可能性もあるかもしれません。
3年双学位会話
もう一つは3年生双学位の会話の授業です。双学位というのは、主専攻は他にあって、副専攻として日本語を学んでる学生だそうです。私は去年双学位の学生に授業をしていないので詳しい状況はよく分かりませんが… まあ一つの専攻だけだと就職が厳しいということもあり、それで副専攻を選ぶのがどうもこの大学では普通みたいです。
同僚にレベルを聞いたんですが、分からないようでした。なので私が直接授業をしてレベルを把握したうえで授業内容を決めないといけません。こういう場合はあらかじめ授業の準備が難しいので困りますけど、どっちに転んでもいいように、過去の教案を活用しようと考えてます。
3年生とはいっても副専攻なので、レベルが日本語科の3年生とは低い可能性は全然あります。その場合は、先学期やった1年生後期の会話の授業を活用して授業を進めようと思います。あるいは、日本語をわざわざ副専攻として選ぶくらいですから、アニメなどから影響を受けて独学している学生である可能性も考えられます。日本語科じゃないけどめちゃくちゃうまい学生も珍しくないので、もしかしたら思ったよりレベルが高い可能性もあって、その場合は1年後期の会話に3年会話のディベートを部分的に混ぜるような内容で対応しようと考えてます。レベルが分からないと授業も決められないので、このくらいふんわり考えておくしかなさそうです。
1年発音
最後は1年発音の授業です。この授業は先学期もやったんですが、構造上の問題があります。
外国語学院の1年生は英語、日本語、ドイツ語のうちどれを専門とするかまだ決まっていません。1年生の段階では全てを幅広く学んで、2年生の段階で1つに決めるわけです。それでこの1年発音の授業は、去年は日本語の全く興味がない学生が80~90%いて、しょうがないから来ているみたいな雰囲気でした。しかもこの授業は単位をもらえる授業じゃないので、学生からしても興味がないし、単位もないしの二重苦で、回を重ねるごとに学生が減っていきます。そりゃそうで、出席するインセンティブがまったくありませんから。
こんなふうな構造上の問題があるため、チャンスがあれば主任に進言しようと思ってます。単位を与えるようにするのか、出席しなければ何か減点するようにするのかなど、出席させる方面の圧力はたぶんこの2つの手段しかないでしょう。授業を行わないという判断はきっとできないので、こうするしかないと思います。でもそれでも、学生も教師も誰も幸せにならない授業なんですけどね…
という背景がありまして、この教案を10回分考えないといけません。どうしましょう…
授業を作るときは学生の人数も考慮に入れて作りますけど、この授業は学生が減る可能性が非常に高いため、人数が分かりません。最悪1~3人しか来ないということも覚悟してます。ちょっと怖すぎます。
学生のほとんどは日本語には興味がないという状況で行う授業として、何を目的とすればいいのか、それでちょっと考えたんですが、「日本語に興味があるかどうかは別として、皆さんが将来もしかしたら日本に旅行に行くかもしれないから、その旅行のときに役立つような日本語を学んでみませんか?」みたいなテーマを掲げようかなと思ってます。我ながら良い案じゃないかなーって。
発音の授業なのでちゃんとした発音を扱う必要があるかもしれませんが、それはこの際置いておきました。だってみんな日本語に興味がありませんから。そうでなくて、「旅行行くときに使える簡単日本語」というテーマを設定すれば、つたなくても、ゆっくりでも、伝えられればいいということになるので、必ずしも正しい発音なんて教える必要はありません。そしたら、日本語専門になるつもりがないのに、授業で五十音図を覚えなければならないといった理不尽な暗記も強いる必要がありません。だから教案は全部ローマ字と中国語訳付きで作成しました。ローマ字さえ読めれば、五十音図は要らないという感じにしてます。こうすれば、ニーズがない中でもまあちょっとは引っかかってくれる人がいるかもしれないので…
これだったら私は十分やることはやったと言えます。それでもなお学生の興味がひけないようだったら、完全に構造上の問題にせいにします。

コメント